Abstract
肉眼観察によっている食用大麦の精麦品質の評価方法を客観化するために,画像解析法による数量化を試みた.そのために,M.G.染色法によって染色された精麦粒の胚乳部(桃色)とそれ以外の縦溝,果種皮,糊粉層,胚芽部(青~黒色)とを区分し,全粒面積に対する青~黒色に染色される部分の割合を精麦程度評価の尺度とした.染色部位の区分は,画像解析法によって画像の濃淡を計測して行った.画像解析法による計測条件として,背景(白)から精麦粒を抽出する濃度値範囲を0-150,胚乳部以外の青~黒色に染色される部分を抽出する濃度値範囲を0-50,一画面上に取り込む粒数を60粒とすれば適切であることがわかった.この条件で,精麦程度評価基準サンプルの画像解析法による評価を行った結果,基準サンプルの階級と画像解析法による評価とはよく対応し,精麦程度を数量的に評価することが可能であることがわかった.さらに既に肉眼判定済みのサンプルについて画像解析法による評価を試みた結果,肉眼判定は必ずしも基準サンプルに忠実に基づいたものではないことがわかった.
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