Abstract

要旨症例は16歳の男性。サッカーの試合中に相手選手との接触により受傷した。CTで膵損傷と診断し経過観察。その後,症状の増悪はみられなかったが,第4病日のCTで膵周囲の液体貯留が左腎下極を越えて広がっており,MRCPを行ったところ膵体部に主膵管損傷を認めた。損傷部を越えてENPDチューブが留置可能であったため保存治療の方針とし,その後,画像所見,症状ともに改善がみられた。第25病日に,膵体部の嚢胞は残存していたが,長期留置による合併症を懸念し,ENPDチューブは抜去とした。抜去後,一時的に嚢胞の拡大を認めたが,その後自然に縮小傾向となり,第188病日には消失した。膵体部主膵管損傷に対するnon–operative managementは,膵頭部損傷と比較し手術療法に対する有用性の判断が難しい。今回我々は,膵体部主膵管損傷に対しNOMを行い有効であった症例を経験したので報告する。

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