Abstract

術後性上顎嚢胞に対する内視鏡下鼻内副鼻腔手術において, 嚢胞開窓部の骨性辺縁を鼻粘膜弁で覆う処置が再閉鎖の予防に寄与し, 下鼻道に接する嚢胞に対しては下鼻道粘膜弁を用いることが多い. しかし鼻涙管外側に位置する嚢胞に対する下鼻道粘膜弁の適用は困難であり, われわれは鼻涙管粘膜弁を作製し鼻涙管に隣接する嚢胞開窓部を覆っている. 代表症例を提示し鼻涙管粘膜弁作製の手術手技を示し, 鼻涙管粘膜弁を用い加療した4例の術後経過について報告する. 術後は全例で鼻涙管狭窄や閉塞症状を来さず嚢胞開存性は保たれ, 鼻涙管粘膜弁は嚢胞再閉鎖を予防し, かつ, 嚢胞から下鼻道へのドレナージルートになる有用な手術手技であると示唆された.

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