Abstract

高濃度のテトラクロロエチレン(PCE)に長期間馴養した活性汚泥は,PCEを好気的条件で減少させることが分かった.さらに,菌体除去後の濾液でもPCEを0.61 ㎎減少させた.よって,PCEの減少が活性汚泥中のフロックや微生物への吸着ではないこと,活性汚泥中の微生物の生成物質がPCE 減少に関与していることが示された.この濾液を熱処理や活性炭処理するとPCE 減少が認められなかった.また,このPCE 減少に関与する物質はタンパク質様物質であった.分画分子量3,000の限外濾過液においてもPCE が減少したことから,分子量3,000以下の低分子のペプチド様物質であると考えられた.PCEの分解産物は各種GC(FID,MS,TCD 等)やイオンクロマトなどでは検出できなかったが,シンクロトロン光によるX線吸収微細構造解析の結果,C-Cl 結合が切断され,塩素原子が共有結合ではなく,イオン状態での存在が確認され,新たなPCE 分解機構の存在が示唆された.

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