Abstract

化学プラントにおいて測定困難なプロセス変数や製品の品質を推定する手法として,ソフトセンサーが広く用いられている.このソフトセンサーを用いることで測定困難な変数yをオンラインで推定することが可能となる.しかしソフトセンサーには,化学プラントの運転状況や触媒性能の変化によってプロセスの特徴が変化し,予測精度が劣化してしまうという問題がある.このソフトセンサーの劣化に対応するため,直近のデータセットで予測モデルを更新することで,プラントの運転状況の変化に対応することが可能なmoving window (MW) モデルを用いることが考えられる.しかし,MWモデルではモデル更新ごとに外れ値の処理や回帰モデルの検証や解釈を行う労力やコストが必要となる.そこで本研究では,そのような労力やコストの削減と予測精度の向上を目指して,モデルを更新することなく時間的に一定に起こる劣化に対応可能なtime difference (TD) モデルとMWモデルをプラントの運転状況を判断しながら使い分けるソフトセンサー識別モデルを提案する.提案したソフトセンサー識別モデルは統計的判別手法であるsupport vector machineまたは複数の時間差分間隔を用いてTDモデルから計算された予測値の標準偏差 (EPM) を指標とする手法を用いて構築される.この提案手法を実際のプラントデータに対して用いた結果, TDモデルからMWモデルへ8.12%の割合で使用することで従来手法より低い更新頻度で高い予測精度を示すことを確認した.

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