Abstract

谷地地すべり地域において,林道切土法面を観察し,火砕流堆積物の分布範囲,火砕流堆積物と地すべり移動地塊の内部構造の確認を行うとともに,テフラ分析を行った。その結果,火砕流堆積物は二種類あり,それらは前期更新世に噴出した湯浜火砕流堆積物もしくは約20万年前以前に噴出した不動山火砕流堆積物と同定される二つのユニットであると判断された。火砕流堆積物については,泥岩礫の中に混入している,破砕泥岩あるいは別の火砕流堆積物と急角度で接している,破砕泥岩の上を覆っているなどの3つの状態が観察された。このような内部構造の観察結果と空中写真による微地形判読結果を総合すると,当該斜面では約20万年前以前から地すべりが発生しており,さらに火砕流堆積物の堆積後にそれらを巻き込んだ地すべりと現在の微地形を形成した地すべりが存在することが明らかとなった。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call