Abstract

本研究では,耕作放棄地放牧飼育における粗放的搾乳方式を検討するために,自然哺乳時の授乳行動に基づき,母ヤギに乳房カバーを装着して短時間授乳を制限した場合の母子の行動と搾乳量を検討した.放牧されている6組のザーネン種ヤギ母子を,出産後0.8〜6.2ヵ月時に計18回,自然授乳させる平常日と,乳房カバーを用いて2〜6時間授乳を制限する装着日を設けて,昼間11時間連続の行動観察を実施するとともに,装着日には観察後に搾乳量を測定した.母子の空間的分離を伴わない乳房カバーを用いた授乳制限は,母子双方の唾液中コルチゾル濃度に影響せず,母ヤギの行動や食草時の空間分布にも悪影響することなく,試験期間を通して210〜360mL/頭と安定した搾乳量を得ることを可能にした.以上から,耕作放棄地で放牧飼育されている母ヤギに乳房カバーを装着しての搾乳方式は,母子ヤギに悪影響を及ぼすことなく搾乳が可能な方式であると結論した.

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