Abstract

要旨小児開心術において予防的抗菌薬の濃度測定を行い、体内動態パラメータに対する影響因子に関する検討を行った。心臓血管外科手術の主な感染起因菌である黄色ブドウ球菌の全症例、表皮ブドウ球菌の体外循環終了後2例以外の症例においてMIC90以上の濃度が得られていることが確認され、SSIはなかった。体外循環中のABPC、SBT比は、製剤中の濃度比である2:1を維持して推移していたが、低い尿中の抗菌薬排泄率と、DUF、MUFによる体液、血液バランスの急激な変化が原因と考えられるABPCの血中濃度上昇が認められた。また、体外循環中の体温調整の違いにより半減期の延長率に有意な差が見られた。体外循環中は非生理的な循環状態により抗菌薬の体内動態が変化することから使用抗菌薬の濃度測定を行い、SSIを引き起こさない適正濃度にするために必要な基礎疾患、麻酔方法、手術時間、体外循環法に見合う適切な投与量、投与方法を決定する必要があると考えられた。特に臓器の発達が未熟な低年齢児に対する除水では、除水量や膜の特性に十分注意が必要であると考えられた。

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