Abstract

チューリップ(Tulipa gesneriana L.)'ガンダー'りん茎を6月に入手後20℃で4∿26週間乾燥貯蔵し, 続いて2℃で8週間貯蔵した.また, 入手後のりん茎を20℃で8週間貯蔵し.続いて-2℃, 2℃, 5℃, 9℃の低温で6∿36週間貯蔵した.貯蔵後のりん茎を20℃一定, 12時間日長下で水耕栽培した.新しく生長する器官(シュート, 花器, 内子球)の植付けから開花までの相対生長率を算出した.20℃貯蔵期間は新器官の植付け時乾物重に大きく影響し, 到花日数ならびに相対生長率への影響は小さかった.一方, 低温貯蔵が短期間の場合, -2℃あるいは2℃といったより低い貯蔵温度では, 5℃あるいは9℃といったより高い貯蔵温度と比較して, 到花日数が小さく, 相対生長率が大きくなった.しかし, 低温貯蔵の期間が長期に及ぶと, 植付け時におけるりん茎内の新器官の生長が, 5℃あるいは9℃といったより高い温度での貯蔵において進んでおり, このことが到花日数の短縮をもたらしたと考えられた.長期の低温貯蔵によって, 開花時におけるシュートや花器の乾物重の減少や不開花が観察された.一方, シュートとの養分の競合部位である内子球に分配された乾物が増加した.これは, 2℃, 5℃, 9℃区における植付け時の内子球の肥大あるいは-2℃区における相対生長率の増加に起因すると考えられた.両実験において, 到花日数や新器官の植付け時乾物重, 開花時乾物重, 相対生長率といった生長特性値のほとんどと, 20℃あるいは低温貯蔵期間との関係は非線形回帰で表された.

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