Abstract
本論文では,タンパク質分子と水分子のかかわりを明らかにするために量子ビーム(放射光や中性子線など)を用いて水和タンパク質やタンパク質水和水の構造とダイナミクスを観測した研究例について報告する.前半ではタンパク質近傍の水について放射光のX線非弾性散乱実験により集団ダイナミクスを調べた結果を示す.中性子散乱により観測される単一粒子の運動では,水和によりタンパク質のダイナミクスが大きく変化することがこれまでに明らかにされていたが,集団ダイナミクスにおいても動的転移が生じることを明らかにした.後半では,アルコール添加によるタンパク質の会合現象について,その機構を中性子小角散乱並びに中性子準弾性散乱を用いて明らかした研究成果を示す.アルコール添加により,タンパク質の疎水性側鎖が溶媒へ露出し,その後,タンパク質同士の会合が進行する機構を示した.すなわち,タンパク質の会合過程では,天然構造よりもモルテングロビュールのような乱れた構造が生じることが明らかになった.
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