Abstract

現在東北地方の津波被害地では広範囲の海岸林の早急な再生のため, 大量のクロマツ苗の植栽が必要になっており, 育苗期間の短縮と, 作業の平準化のための通年植栽が求められている。そこで, 当年生苗の利用可能性と通年植栽の可能性を検討するため, 宮城県仙台市において, 当年生コンテナ苗と 2 年生裸苗の成長比較試験と, コンテナ苗を厳冬期の1 月を除き, 2 カ月おきに通年で植栽する試験を行った。その結果, 11 月下旬と 3 月下旬植栽の当年生コンテナ苗の成長後の幹長と地際直径は 2 年生裸苗と有意差がなかった。幹長の成長量は, 3 月植栽で裸苗よりやや劣ったものの, 11 月植栽のコンテナ苗では同等で あった。地際直径の成長量は, コンテナ苗の方が有意に多かった。コンテナ苗は, いずれの植栽時期でも越冬後の活着率が98.4%以上と高く, 成長に大きな問題もみられなかった。以上のことから, 当年生苗の利用と通年植栽は, ともに可能と考えられた。

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