Abstract

都市近郊二次林における外生菌根菌(以下,菌根菌)の種多様性を明らかにするために,東京都青梅市のコナラを優占樹種とする二次林において,ラインセンサスおよびプロットサンプリングを実施し,子実体436個,菌根327根端,菌核3個の計766サンプルを採取した。形態分類およびrDNA-ITS領域を対象とした分子生物学的解析の結果,23科41属159 MOTUの菌根菌が同定され,林内にはテングタケ属,イグチ科,カラハツタケ属,ベニタケ属,ロウタケ属,ラシャタケ属が広く分布していることが確認された。一方で,ショウロ属やヌメリイグチ属など,センサスルート上やプロット内の各所において局所的に分布する菌種も多数確認された。これらのことから,人為的攪乱を受ける比較的小面積の二次林においても多様な菌根菌種が生息していることが明らかになった。また,プロットから得られた菌根菌を対象とした階層クラスター分析では,各プロットは共通の頻出群を有するものの,局所的に分布する科によって特徴づけられた。樹種構成の相違や人為的攪乱,林内に存在する多様な微地形といった要因が群集組成に影響を及ぼしていることが示唆された。

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