Abstract

本研究は, 児童の因果認識の発達に及ぼす擬人的な手がかりの教示効果を検討することを目的として, 3つの実験-I: 擬人画・擬人語による教示効果, II: 擬人語のみによる教示効果, III: 擬人的な手がかりの否定の教示効果-を, 小学校2~6年生を被験者として行った。結果を要約すると, 以下のようになる。(1) 児童が因果関係を説明する際に, 擬人的な手がかり (擬人画および擬人語) を教示されると, その影響を受けて4年生以上の学年では, 擬人的説明が増加し, 因果的説明が減少した。しかし, 3年生では現象的説明が減少した。(2) 擬人語のみの教示によっても, 4年生では (1) と同様に, 因果的説明が減少し, 擬人的説明がやや増加したが, 他の学年ではほとんど変化がみられなかった。(3) 擬人的な手がかりの否定の教示は, 2年生と4, 6年生とでは異なった効果をもたらし, 4, 6年生に対しては因果的説明を増加させたが, 2年生に対しては現象的説明を増加させた。

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