Abstract

雪田における岩石の物理的風化の強度分布を検証するために,大雪山小泉岳北東の残雪凹地において,安山岩の破砕礫の分布を調査し,消雪過程との関係を考察した.調査地内の121地点において,1m×1m方形区内の25個の礫について,破砕の有無を判別した.破砕礫は,強風砂礫地より残雪砂礫地に多く分布する.その中で破砕礫が最も多く分布するところは,残雪が越年する年の9月に残雪が消滅した区域に相当する.さらに,この時期の融雪水の流路にあたる地点でも,破砕礫は多く分布する.残雪周縁や融雪水の流路中では,礫は凍結破砕に必要な水分の供給を多量に受ける.したがって,破砕礫が多く分布するところは,このような豊富な水分供給と凍結によって凍結破砕に有利な環境にあると考えられる.一方,消雪が最も遅い残雪砂礫地の中心部では,破砕礫はやや少ないが,これは越年する残雪の断熱効果のために,地表面は秋季の頻繁な凍結融解を受けにくいためである.

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