Abstract

太平洋を回遊するスルメイカ冬季発生系群の成長に影響を及ぼす要因を明らかにするため,2000~2011 年に東シナ海と太平洋,対馬海峡で採集された標本の平衡石の日齢解析による成長推定を行った。日齢と外套背長の関係はゴンペルツの成長式に適合し,式からの成長差は年級,孵化月,性別により異なった。成長の年変動へ影響を及ぼす環境要因は検出されなかったが,孵化月の推移に伴う成長促進は黒潮親潮移行域の春の水温上昇と対応した。南下回遊時の雄の成長は雌より小さく,雌より早い雄の成熟に伴う成長抑制によると考えられた。

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