Abstract

ニホングリの収穫始期予測法を開発するために,‘丹沢’,‘筑波’および‘石鎚’における過去44年間(1965~2009年)の生態データを解析した.雌花開花盛期と収穫始期には有意な正の相関が認められ,雌花開花盛期が早くなると収穫始期も早くなった.得られた回帰式より収穫始期を推定したときの予測誤差(RMSE)は,4.3~4.9日であった.また,雌花開花盛期直後約30日間の平均気温と成熟日数の間には,有意な負の相関関係が認められ,その期間の気温が高いと成熟日数が短くなった.得られた回帰式より収穫始期を推定したときの予測誤差は,3.7~5.0日であった.さらに,果実成熟後期に,成熟日数と有意な正の相関関係が認められる時期が存在した.この関係を加味した予測式より収穫始期を推定したときの予測誤差は,3.0~3.3日であった.以上のように,3段階での予測が可能で,生育段階に応じて精度が向上してゆく収穫始期予測式が得られ,その誤差の大きさから判断して,十分に実用的な予測法が開発された.

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call