Abstract

通年性アレルギー性鼻炎における咽喉頭症状,睡眠障害についての検討はそれほど多くない。今回,我々は,通年性アレルギー性鼻炎の咳嗽,咽喉頭異常感,後鼻漏および睡眠障害の臨床的特徴を明確にするために,これらの症状および所見を調査するとともに,抗ヒスタミン薬の有効性についても検討を行った。藤田保健衛生大学病院およびその関連施設を受診した通年性アレルギー性鼻炎患者28名を対象とし,全例にベポタスチンベシル酸塩を4週間経口投与した。症状および所見はアレルギー症状日記と調査票を用いて検討した。鼻の3大症状,鼻腔内所見および咳嗽では投与2週後および4週後で投与前と比較して有意にその重症度の低下を示した。咽喉頭異常感は投与4週後で投与前と比較して有意にその重症度が低下した。後鼻漏および披裂部の異常所見では,その頻度が低下する傾向を示した。後鼻漏,咳嗽および咽喉頭異常感の間では,咳嗽および咽喉頭異常感においてのみ有意な関連性を示した。今回,通年性アレルギー性鼻炎で観察された咳嗽および咽喉頭異常感は通年性喉頭アレルギーのあまい診断基準に概ね合致することから,後鼻漏による症状というより喉頭アレルギーの関与が推察された。また,睡眠障害についても抗ヒスタミン薬の投与で4週後に有意に改善した。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call