骨軟部肉腫肺転移の治療成績と予後因子解析

Abstract

骨軟部肉腫は肺に転移することが多く，その治療は予後を左右する重要な因子である．2002年9月から2013年12月の間に，当院で骨軟部肉腫肺転移に対し肺切除を施行した36例を対象とし，その治療成績を評価し，予後因子の検討を行なった．骨軟部肉腫全体の術後成績は5年生存率65.7％で，疾患別では骨肉腫と軟部肉腫はそれぞれ63.6％と67.1％であった．予後因子の解析では，肺転移切除時の年齢が若年者群（45歳未満vs. 45歳以上）で有意に成績が良好であった（5年生存率92.3％vs. 44.3％，p=0.03）．その他，有意差はないものの術式が楔状切除，DFIが12ヵ月以上，原発巣治療後の初回再発部位が肺の症例は成績が良好な傾向が認められた．肺転移切除時年齢，術式，DFI，原発巣治療後の初回再発部位が予後因子となる可能性があり，手術適応の判断基準になりうると思われた．