Abstract
F. K. Schaeferの例外主義論文の発表以来,今日までに半世紀を経ている.その間, 1960年代前半の既存の統計手法の利用に始まり,その後地理学固有の概念・手法の重視が叫ばれ,それに伴い立地論のモデル展開や空間行動の計量分析などが盛んとなり,そのアブ面一チが集計的なものから非集計的なものへと変化していった・1970年代後半以後・際立った変革が技術と方法の両面に現れてきた.主なものはGISの発達とロにカルモデルの構築である.GISの計量地理学分析への結合は必ずしも十分ではないが,分析法のコンピュータプログラム化の遅れとともに,それの未開発部分の多さにもその原因がある.近年における分析法の開発の主点は,前代の空間プロセスのグローバル面のモデル化から,それのローカル性に焦点を当てたモデル化に移行されっっある.この移行は,地域個性の計量的解明を目指すとともに,空間的非定常性問題の解決を意図する動きといえる.それに関して, (1) 点パターンや空間的自己相関などの伝統的問題に対するローカル分析, (2) 空間的拡張法,空間的適応フィルタ法,多水準モデル法,地理的加重回帰法など多変量的問題状況に対するローカル分析について論評する.またこれらの分析と深く関わる可修正地域単位,実験的推測,地理的加重モデルなどの新しい研究動向にっいても言及する.
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