Abstract
本論文では,プラスチックボードドレーン工法を適用した泥炭地盤の圧密沈下予測に用いる水平方向圧密係数について述べる。ドレーンで改良された泥炭地盤と無処理地盤上に構築された試験盛土に対して数値解析を実施した。その結果,鉛直ドレーンの打設の有無で見かけの圧密係数が大きく異なり,ドレーンで改良された地盤では,無処理と比較すると1/15程度圧密係数を小さくしないと実挙動を再現できないことがわかった。その理由について,無処理地盤では,泥炭地盤の不均一さ,すなわち局所的に存在する透水性が良い“水みち”によって見かけ上圧密係数が大きくなるのに対して,ドレーンピッチが小さい改良地盤ではこの影響が小さくなり,圧密試験の値に近づいたためと論じている。また,泥炭の水平方向の透水係数は鉛直方向よりも大きいとされているが,解析結果において鉛直方向に相当する圧密試験の透水係数よりも見かけの水平方向の値が小さくなった。その要因について,透水係数に及ぼすドレーン打設時の地盤の乱れの影響が高いと推定している。
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