Abstract

1990年1月から2年9ヵ月間に,同意を得て内視鏡的純粋膵液採取法を用いて42例の純粋膵液を採取した。これらを日本消化器病学会慢性膵炎検討委員会案の臨床診断基準1)に基づいて3群に分類し,正常群より基準値を設定して,生化学的分析より膵外分泌機能(液量,最高重炭酸塩濃度,アミラーゼ分泌量,リパーゼ分泌濃度,トリプシン分泌濃度)を各群別に比較した。その結果,①Ⅰ群はⅡ群と比較すると,最高重炭酸塩濃度が有意に低値であった。②Ⅰ群は疑診群と比較すると,液量および最高重炭酸塩濃度が有意に低値であった。③Ⅰ群,Ⅱ群をそれぞれ正常群と比較すると,リパーゼ分泌濃度が有意に低値であった。④アミラーゼ分泌量およびトリプシン分泌濃度においては,統計学的有意差を認めなかった。慢性膵炎における膵外分泌機能の障害度を評価するうえで,内視鏡的純粋膵液採取法は有用であり,現行の臨床診断基準における十二指腸液検査より重視されるべきであると考えた。

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