Abstract

甲状腺分化癌は予後良好であるが,局所進行や病理学的な高悪性を有するものは局所や遠隔再発をきたしやすい。2014年に放射線ヨウ素不応の甲状腺分化癌の遠隔および局所再発(切除不能)例に対して,分子標的薬が本邦でも承認された。使用件数も増加しているが,局所進行再発癌の切除不能についての議論は少ない。局所再発進行癌のうち手術が困難なものとして,器官では頸動脈などの大血管への浸潤が,部位では副咽頭や縦隔への転移が考えられる。また局所進行再発癌の特徴は,局所では浸潤傾向が強いこと,遠隔転移を高率に認めることであり,切除による機能の維持と予後の両面で難治例が多い。しかし自験の成績では,切除可能であったものの局所制御は良好であり,手術療法が治療の中心と考えられる。切除不能局所再発癌に対して分子標的治療が適応となったことを受けて,今後さらに局所再発癌の手術適応について議論していく必要がある。

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