伊勢湾の海洋レーダで得られた流速の精度評価法の検討

Abstract

国土交通省が設置した伊勢湾の海洋レーダによる流速結果を用いて，データ同化に必用となる潮位及びレーダで計測された流動の精度比を評価した．2008年4月22日～2013年10月8日の約6年間を151日毎に調和解析を実施し，13個のM2, S2, K1, O1分潮の調和定数から分散共分散を計算した．潮位結果からM2, K1, O1の調和定数は，月の軌道に関した18.6年周期で変化しているため，振幅はこの18.6年周期のf値で修正する必要がある．また流速ベクトルの分散共分散の分布は，レーダのビーム方向から得られる幾何的な精度と同様な分布を示し，さらにレーダで計測出来ない視線流速の地点についての情報を示唆した．S2，K1分潮と異なり，季節的・経年的変化が小さいM2およびO1分潮の分散共分散の比の潮位および潮流ベクトルの精度比への適用の可能性が示された．