Abstract

グリセリン浣腸によると考えられた直腸穿孔に起因する骨盤直腸窩膿瘍の1例を経験し,救命し得たので報告する.症例は90歳女性.平成11年3月13日より便秘,腹痛あり,近医からグリセリン浣腸を処方されていた.3月20日,腹痛,発熱を主訴に来院.ショック状態のため緊急入院となる.骨盤CT,下部消化管内視鏡検査より,グリセリン浣腸による外傷性直腸穿孔を疑い,便流遮断を目的に人工肛門造設術を施行した.3日後のCTで直腸周囲,骨盤直腸窩に多量の膿の貯留を認めた.坐骨直腸窩には膿瘍を認めなかったため,皮膚からの切開排膿は行わず,直腸潰瘍部からドレナージチューブを挿入し排膿した.約1カ月後にドレーン抜去し,その後の経過は良好であった,グリセリン浣腸は日常的に行われている治療であるが,穿孔等の危険があることに留意して,医療機関以外での使用には特に注意が必要と考えられた.

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