Abstract

今回の検討は,イレウスを伴った大腸癌に対する外科的治療の問題点を明白にすることを目的とした.対象は当科で最近10年間に経験したイレウスを伴った大腸癌15例である.これを1群(イレウス症例)とし,同期間のイレウスを伴わなかった大腸癌288例をII(非イレウス症例)として,臨床病理学的特徴について,比較検討した,年齢,性比,リンパ節転移,stage,治癒切除率,手術直接死亡,累積5年生存率は両群間に有意差を認めなかった.占拠部位のSはI群66.7%,II群22.2%であり,I群ではSがIIに比し有意(P<0.01)に多かった.壁深達度のss,sあるいはa1,a2はI群93.3%,II群68.2%であり,1群ではss,sあるいはa1,a2がII群に比し有意(p<0.05)に多かった.術後合併症はI群53.3%,II28.8%と1群が有意(p<0.05)に多いが,I群8例の合併症のうち5例(62.5%)が創感染であった.したがって,イレウス症例では非イレウス症例に比し,術後合併症は多いものの,手術成績および予後には差がないものと思われた.

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