Abstract

黒大豆煮汁の日常摂取における有用性を明らかにするために, in vitroおよびin vivoにおける黒大豆煮汁の糖代謝に対する作用を検討した。 黒大豆煮汁の糖類分解酵素活性をin vitroで測定した。さらに, 健常若年女性を対象に, スクロースおよびグルコース負荷試験における黒大豆煮汁同時摂取の効果を検討するとともに, 黒大豆煮汁の長期 (4週間) 摂取試験を行った。 その結果, 黒大豆煮汁はin vitroにおいてα-グルコシダーゼ阻害活性を有することが明らかになった。また, スクロースおよびグルコース負荷試験における黒大豆煮汁の同時摂取は, 血糖上昇を抑制した。さらに, 黒大豆煮汁の長期摂取は, 血糖コントロール改善, 抗酸化能上昇, 活性酸素代謝物低下の作用を示した。 以上の結果から, 黒大豆煮汁の摂取は糖代謝改善および抗酸化作用を有し, 耐糖能障害および糖尿病の予防に有用であることが示唆された。

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