Abstract
本論では,知覚心理学における錯視を数々の図形や研究例を挙げて紹介する.そして錯視と芸術の関係,錯視量と美的印象の判断値との関係性について検討した研究を取り上げる.我々は錯視量が段階的に変化するように図形の複雑さを操作し,それにともなう図形の美的印象を測定した.研究結果は、錯視量が多い図形では美的判断の値も高くなる事を示唆するものであった.また錯視量と美的判断値は、両方とも単純すぎず複雑すぎない図形でそれぞれの値が最大となるV字形の関数に従う事が明らかとなった. 美的判断と刺激要素が与える感覚印象を対応関係で一義的に捉えるのではなく,むしろ「全体としての図」のまとまり方が判断値に影響している事が示唆された.この事から錯視を規定する要因と美的判断値を同様の枠組みで捉える際には,刺激の要素がどのように最適な構造としてまとまりを構成するかという,知覚構造を考慮にいれて検討する必要があるだろう.
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