Abstract

これまでの我々の研究から被削材の含水率が高いほど丸鋸切削時の粒子径10µm以下の浮遊粉塵が減ることが明らかになっている。そこで,この結果を応用し,切削前に被削材に水を与えることによって,切削時に発生する粉塵の質量を低減できないかを検討した。被削材としてスギの気乾状態の板目材を用意し,切削前に1日間あるいは3日間水中に浸漬してから切削した場合,切削直前に試験体表面を水を含んだローラで濡らしてから切削した場合,水を与えずに気乾状態のまま切削した場合の4条件で試験を行った。切削には丸鋸盤を用い,切削によって発生した粒子径10µm以下の粉塵を作業者の呼吸器付近の位置でローボリウムエアサンプラを用いて捕集し,その質量濃度を測定した。その結果,被削材を切削前に1日間あるいは3日間水中に浸漬することにより,粒子径10µm以下の浮遊粉塵の質量濃度がそれぞれ約1/2あるいは1/3になった。また,被削材の上面を水を含ませたローラで濡らす実験では,粒子径10µm以下の浮遊粉塵の質量濃度が約半分にまで減少した。したがって,切削前に被削材を水中に浸漬,あるいは被削材表面を水で濡らすことによって,切削時に発生する浮遊粉塵を減らすことができる。

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