Abstract

西南日本弧と琉球弧の会合部に位置する甑島列島北部における応力の変遷を明らかにするため,野外調査,断層系の区分,および小断層解析を行った.その結果,調査地域の新生代における変動ステージを2つ(D1,D2)に区分した.D1は古第三系堆積以後,中期中新世までの期間であり,北東―南西方向の引張応力のもとで,北西-南東走向の正断層群が形成され,調査地域は複数の構造ブロックに分かれ傾動運動を起こした.この運動により,北東へ傾斜する現在の甑島列島の大局的な地質構造が形成された.D2は,後期中新世以降に西北西-東南東方向の引張応力が作用した期間である.この応力により,北北東-南南西走向の斜めすべり正断層群が形成された.これらの断層の活動に伴い,調査地域はさらにいくつかの構造ブロックに分かれ,構造ブロックの一部は南東方向にさらなる傾動運動を起こした.

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