Abstract

トチノミ食文化に関する研究では,これまでトチノミの加工技術やトチノミ加工食品の地域的な差異が明らかにされてきた。一方で,トチノミ加工食品は都市住民も含めた観光客の需要に応えるなかで商品化が進み,自家消費を中心とした利用形態から変容している。本稿では,地域の特産品などを販売し,全国の山間地域に数多く分布する道の駅に注目し,トチノミ食の地域的な分布状況を明らかにした。道の駅販売所への電話調査およびアンケート調査の結果,従来から全国的に利用が知られるトチモチが広範囲で販売されていることが明らかとなった。また,トチノミセンベイやトチノミカリントウ,トチノミアメといった多様な商品が販売されていた。生産者に注目すると,トチモチが個人や組合による生産が多い一方,他の製品は企業による販売が多い傾向がみられた。そして,トチノミ加工食品はトチノミ食文化が根付いていた地域で販売される傾向があったが,食文化が根付いていない地域においても販売されていた。

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