Abstract

抜歯によって生じた上顎前歯欠損部顎堤の形態不良に対し,歯周形成外科として複数回の結合組織移植により歯肉増大を行い,機能性・審美性を改善させた後,固定性補綴を行い良好な結果を得た一症例を報告する。 患者は 54 歳女性で上顎前歯部の歯肉腫脹を主訴としていた。予後不良の #11 を抜歯した後,歯肉の陥没が認められ,その状態は Seibert の分類で Class Ⅰと診断した。同部位の形態不良は,患者にとってコンプレックスとなっており,前歯部欠損を固定性補綴装置で治療するにあたり陥没の改善を必要とした。結合組織移植による歯肉増大術を試みたが思うような結果が得られず,合計 4 回の歯肉増大術によって機能面での改善と患者の満足を得ることができた。手術後 1 年以上経過したが,現在まで変化無く維持されている。日本では未だニーズは潜在的であると思われるが,今後益々高い審美性とメインテナンスしやすい環境作りは求められるであろう。本症例を通して,歯肉増大術は歯周環境の長期的な安定のための一手段として重要であるが,適切な診断のもと,明確な治療成果を見据えた治療計画が必要であると思われた。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)56(2):209-216,2014

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call

Disclaimer: All third-party content on this website/platform is and will remain the property of their respective owners and is provided on "as is" basis without any warranties, express or implied. Use of third-party content does not indicate any affiliation, sponsorship with or endorsement by them. Any references to third-party content is to identify the corresponding services and shall be considered fair use under The CopyrightLaw.