ラジカル重合による分解性ポリマーの合成と解体性接着材料の設計に関する研究

Abstract

省エネルギーや廃棄物処理などの低環境負荷の取り組みのため，使用時の高機能化・高性能化と使用後の分解性・解体性を両立できる材料が求められ，問題解決のための新しい技術として，使用後に解体することを予め材料設計や製品設計に組み込んだ解体性接着への関心が高まっている。本論文では，まず解体性接着材料ならびにその技術の概要を示し，分解性ならびに反応性ポリマーを用いた解体性接着材料の開発の詳細について総括的に報告する。著者らが開発してきたポリペルオキシドや反応性のポリアクリル酸エステルブロックコポリマーを粘接着剤として応用して新規な二重刺激応答性の解体性接着材料の設計することで，使用中の粘接着剤の性能安定性と必要に応じて外部刺激を加えることによる容易で迅速な解体の両方が実現できることを示した。高性能粘着特性を有するポリマー材料を設計するための有機テルル化合物を用いるリビングラジカル重合を用いた極性基を含む高分子量アクリル酸エステルブロック共重合体の合成についても報告する。