Abstract

脳卒中後の上下肢痙縮に対するボツリヌス療法は,「脳卒中治療ガイドライン2009」以降,グレードA で推奨されている.上肢痙縮に関しては,上腕,前腕および手指屈筋群へのボツリヌス毒素の注射は,痙縮の軽減,関節可動域の増加および日常生活上の介助量軽減に有効とされる.下肢痙縮に関しては,下腿筋群へのボツリヌス毒素の注射は,痙縮の軽減に有効とされる.しかし,ボツリヌス療法による機能改善についてエビデンスは不十分である.当院では,ボツリヌス療法と短期入院リハビリ強化を行い,機能改善を目指す治療に取り組んでいる.治療に際して目標設定を行い,目標に応じたボツリヌス投与と,投与筋の持続伸張,課題指向型訓練,ロボット支援訓練,自主訓練指導などのリハビリテーションを行う.脳卒中後の上下肢痙縮に対するボツリヌス療法は,リハビリテーションと併用することで,痙縮のみならず,機能改善をもたらす可能性がある.

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