Abstract

油燃焼ボイラの高温外部よごれの機構は, 低温部よごれと同様に凝縮をともなう蒸気拡散であると考える報告が提出されつつある.しかしながら高温伝熱面に付着してくる物質はいく種類もあり, それらの性状が必ずしも明らかでないこと, 高温よごれが問題となるふん囲気においてそれらが蒸気状態なのか, それとも粒子状態なのか, はっきりしないことなどのために, まだ高温よごれ機構を蒸気拡散と断定できない現状にある.本研究はかかる現状にある高温よごれ機構の問題を明らかにするために, 模型炉を用いた高温よごれ実験を行なった.実験は, まず汚染物質に物性値のわかっているNaClを選び, NaClが燃焼ガス中で完全に蒸気状態にあるふん囲気から, 一部粒子に変化しているふん囲気までの広い範囲 (ガス温度770~980℃, 管壁温度250~720℃) において, ガス流速 (14.4~18.1m/s) , NaC1濃度 (130~420ppm) などもかえて直交流管外面のよごれ状況を調べた.ついで実際の外部のよごれで問題となるNa, V, S系化合物による付着実験を行なった.本実験で明らかになった点は以下のとおりである.(1) 油燃焼ボイラの主要な付着機構は凝縮をともなう蒸気拡散であり, 付着量はSpaldingの物質伝達理論で求められる.(2) 伝熱面近傍において温度が下がって付着物質のかなりの部分が粒子状態で存在する場合は, 蒸気拡散量は濃度低下のため減少し, 蒸気拡散以外の機構による付着量はきわめて少ないため, 全体として付着量は減少する.油燃焼ボイラの過熱器とエコノマイザの中間温度領域で外部よごれが少ないのはこのためと考えられる.(3) 付着物は付着面上では, その融点よりもずっと低い温度で溶融状態にあり注意を要する.

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