Abstract
1989年9月,厚生省は「輸血療法の適正化に関するガイドライン」を制定し,血液製剤の適正使用を強く要請している.当院で1990年に使用された血液製剤は58318単位で,うち各製剤の占める割合は赤血球製剤(CRC)15 .7%,血小板製剤(PC)35、9%,新鮮凍結血漿(FFP)48.4%であり,3年前に比べPC製剤は2.1倍,FFPは1.4倍に増加した.一方,赤血球製剤の使用量はほぼ一定であり,FFPは過剰使用と言われそいる本邦の平均33 .6%より更に高い.赤血球製剤においては適正使用の指標となるC/T比(輸血単位数に対する交差試験実施単位数の比)は1.5以下が適正とされているが,当院における各診療科別のC/T比は最低1.0から最高6.5,平均は2.4であり,特に外科系では3.6と高い.その原因として,手術用血液の過剰申し込み,未使用血液の病棟滞在日数の延長などが考えられた.これらの対策の二つとして,1990年12月よりType&Screen(T&S)とMaximum Surgical Blood Order Schedule(MSBOS)を導入した.その結果,1991年1月31日までにT&Sが実施されたのは5診療科の計24例であり,その全例で輸血を必要としなかった.また,FFPにおいては,1990年7月よりガイドラインに沿った払い出し制限を行った結果,1ヵ月間に1402単位減少したが,臨床的に特に問題は起こらなかった.今後,T&S,MSBOSの対象症例や実施数を増やし,未使用血液の早期返却などの基本的事項の徹底と共に,各種血液製剤の適正使用が望まれる.
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