Abstract

濃尾平野南西部の第1礫層地下水で水道水質基準を超えて検出されるヒ素について,平野南西部の海津市の堆積物及び地下水中にヒ素が検出されない平野北西部の養老町の堆積物を用いて,水,フミン酸溶液及び硝酸カルシウム溶液でのヒ素の抽出試験を行い溶出メカニズムを考察した. その結果,海津市の第1礫層上位の濃尾層堆積物中の酸化鉄に吸着しているヒ素が,第1礫層地下水へのヒ素溶出に影響を与えていると考えられた.また,DOCとの競合による堆積物からのヒ素の脱離,或いはDOCとの溶存有機物複合態の形成によるヒ素溶出促進によって濃尾層からのヒ素溶出が定常的に生じ,地下水へヒ素が溶出すると考えられた.また,海津市の地下水中のカルシウムイオン濃度が低いことも地下水中のヒ素濃度が高い要因のひとつと推察された.

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