Abstract

ゲノム解読が進むにつれ,糸状菌には,これまで同定された化合物から予測されるよりも,はるかに多くの二次代謝物を生産する能力が秘められていることが明らかになってきた.二次代謝物生合成遺伝子の大半は,通常の培養条件下では休眠状態にあり,われわれは,その能力の一部しか引き出せていない.最近,急速に解明されつつある,エピジェネティクスを介した糸状菌の二次代謝制御は,休眠遺伝子にコードされる新規物質を取得するうえで重要な鍵になることが期待される.本稿では,糸状菌二次代謝制御にかかわるエピジェネティクス現象を概説するとともに,その概念に基づいた天然物探索について紹介する.

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