Abstract

1969年より1983年8月まで当教室で経験した大腸癌症例は393例であり, 39歳以下の若年者大腸癌は19例であった。このうち大腸腺腫症および潰瘍性大腸炎に合併した大腸癌を除く17例について検討し, 以下の考察を行った。 (1) 若年者大腸癌は全大腸癌の4.3%であり, とくに性差はなかった。 (2) 結腸癌10例, 直腸癌7例で, 占居部位では各部位にほぼ均等に存在していた。 (3) 若年者大腸癌では病期の進行した症例が多く, その原因としてはリンパ節転移ともっとも関連が深かった。深達度, 肝転移, 腹膜転移および病理組織型については非若年者と比較して有意差は認めなかった。 (4) 若年者大腸癌の切除率は100%であったが, 治癒切除率は52.9%と低かった。 (5) 若年者大腸癌全体の予後は早期死亡例が多く不良であったが, 治癒切除例は全例生存しており予後は良好であった。以上より, 若年者大腸癌では早期発見が重要で, 治癒切除が可能であれば予後は良好であることが示唆された。

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