Abstract

本研究は,30~40歳代の労働者の健康診断 (以下,健診) データと行動変容ステージおよび生活習慣との関連を明らかにし,30歳代と40歳代との比較により,職場における保健指導のあり方について検討することを目的とした。行動変容ステージおよび生活習慣については,自記式質問紙調査票を用いて調査を行なった。健診結果については,BMI,腹囲,血圧,血液検査値である中性脂肪,血糖を調査項目とした。30歳代ではほとんどの健診項目で男性が女性より高値を示し,保健指導を行なう上で性差を考慮する必要性が推察された。行動変容ステージは,30歳代の腹囲,40歳代のBMIおよび腹囲との関連が認められ,働きかけによる行動変容が健診結果改善に結びつく可能性が考えられた。生活習慣のうち,30歳代の朝食欠食,間食,糖分をひかえる,喫煙,飲酒と健診結果に関連が認められ,若年層の30歳代における生活習慣が健診結果に反映されること,健診結果が健康行動に反映されるということが推察された。30歳代から健康状態を把握し,早期に介入することが,将来の生活習慣病予防に寄与するものと考える。

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