Abstract

中国産の生漆から透ろいろ漆, 透つや漆, 黒ろいろ漆及び黒つや漆の4種の漆を製漆し, 漆膜を作成した。これらについて熱機械分析, 熱重量分析及び示差走査熱量分析を行った。その結果, 120℃以下においては数パーセントの重量減少とともに吸熱現象が認められたが, これは漆中の残存水分によるものであった。また100~200℃では, 逆に発熱現象が認められると同時に線膨張係数の低下を示すことから, 網目構造の形成が行われていると考えられる。なお, 上記4種の漆の間には熱的に本質的な差異は認められなかったが, 透漆の方が黒漆よりも若干低温側から収縮現象が始まることが認められた。

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