Abstract

佐賀県唐津市高島のアルカリ玄武岩中の捕獲岩.かんらん岩の一種で,上部マントル最上部を代表すると考えられる.ダナイト捕獲岩は西南日本に多産し,かんらん岩捕獲岩としては最も一般的なものである(例えば, Arai et al., 2000).ダナイトは,ほとんどマントルの代表的鉱物であるかんらん石より構成される単純な岩石である.ダナイトは,マグマが関与した深部過程(マグマからの結晶集積,輝石を含むかんらん岩とマグマの反応など)で形成されると考えられるが,その詳しい成因を特定するのはなかなか難しい.マグマ過程で生成された後,岩石は流動等で変形するが,かんらん石にしばしば見られるキンクバンドと呼ばれる折れ曲がり(中心よりやや左上)はその産物である. かんらん岩を厚さ0.03 mm 程度の薄片にして偏光顕微鏡の直交ポーラー(試料を2枚の偏光板で挟む)で観察するとこの写真のような極彩色のステンドグラスの世界が広がる.偏光顕微鏡の直交ポーラーでの色を干渉色と呼ぶが,0.03 mm の厚さでこのような鮮やかな干渉色が観察されるのは,かんらん石の特徴である.(写真・解説:荒井章司)

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