Abstract

我々は, 胆管部腫瘍の治療法としてマイクロ波を用いた腔内温熱療法の研究を行ってきた. この治療法では, 内視鏡の鉗子口を利用することで, ファーター乳頭から胆管までアンテナを非侵襲的に誘導し, 患部の局所加温を行う. ところで, 近年では胆管部腫瘍が外科的切除不可能である場合に, メタルステントを胆管内に留置するケースが増えている. しかしながら, 胆管にメタルステントが留置された状態での効果的なマイクロ波温熱治療法は確立されていない. また, 筆者らは, メタルステントが温熱治療に影響を及ぼすことを確認している. そこで本研究では, 胆管部腫瘍に対するマイクロ波温熱治療と併用可能な胆管ステントの開発を行った. 提案したステントは, 周囲に存在する腫瘍を広範囲に加温することを目的として, 金属とプラスチックから構成されている. この治療では, 内視鏡用マイクロ波同軸プローブから照射された電磁波が提案したステントから外部に漏洩することで, ステント周囲のマイクロ波加温を実現した. 本論文では, FDTD (Finite-Difference Time-Domain) 法を用いた電磁界解析と生体等価ファントムを用いた加温実験を行った結果より, 提案したステントはマイクロ波温熱治療と併用可能であることを示した.

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