Abstract

本研究では眼球運動計測により,タイ語の視覚情報処理特性について考察した.文章語読解においては,難易度の上昇により注視回数だけでなく,注視時間の増加が認められた.加えて,日本語や英語は形態的特徴のある単語の先頭に注視が集まる傾向があるが,タイ語は語末に注視が集まり,これには末子音にあたるドーサコットが関与していることが分かった.ドーサコットは通常使われる子音と同じ形態であり,日本語や英語のように形態的特徴だけでは,通常子音かドーサコットであるか区別ができないため,視覚探索においては語の認知処理が重要であると言える.また,単語認知過程に関する実験より,タイ語読解においては単語優位性効果が認められ,ドーサコットが単語を区別するトリガーとして機能し,読解処理を促進することが明らかになった.これにより,タイ語に要求される認知レベルの高さが示され,ドーサコットの認知処理がタイ語の視覚情報処理特性において重要であることが分かった.

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