Abstract

レーザー照射による単純血管腫の治療は, 選択的に血管だけを破壊することができず, 照射後の再発と皮膚表面の瘢痕の問題があるため, いまだ本治療だけで血管腫を完治させるまでにはいたつていない。そこでわれわれは従来使われてきたアルゴンレーザー装置のかわりに色素レーザー装置を用いて鶏の鶏冠および単純血管腫への照射を行い, 経時的に組織変化を観察した。色素レーザー装置は励起する色素の種類を変えることにより任意の波長を発振することができ, 0.7μsというきわめて短い時間のパルス発振方式である。そこで装置の発振波長を色素ローダミン575を用いることにより, 赤血球の最大吸収波長である575nmに同調させ鶏冠および単純血管腫への照射を行つてみた。組織学的には鶏冠の場合, 表在性の豊富な血管組織にレーザー光がほとんど吸収されるため均一な同部位の凝固変動が見られたが, 単純血管腫への照射では出力を変えることにより, 血管周囲の正常組織の変性を最小限にとどめて血管のみの選択的破壊変性が起るのが観察された。

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