気道狭窄に対するラリンゲルマスクを用いたステント留置術の検討

Abstract

気道ステントは悪性腫瘍による気道狭窄・閉塞の治療に有用な方法であるが，留置時の鎮静法は様々である．我々は，ラリンゲルマスクを用いた全身麻酔下に軟性気管支鏡を用いて気道ステント留置を行っており，その有用性を検討した．2005年6月～2010年11月に気道ステント（soft metallic expandable stent）留置を23症例（28回，33ステント）に行った．男性17例，女性6例，年齢中央値は61歳，原疾患は肺癌14例，食道癌7例，その他2例で，施行時間中央値は21分，麻酔時間中央値は65分であった．麻酔及びステント留置施行中に合併症及び治療関連死亡は認めず，留置後に全例で呼吸困難が改善したが，ステント内腫瘍進展を1例に認めた．悪性腫瘍による気道狭窄・閉塞症に対するラリンゲルマスクを用いた気道内ステントの留置術は，合併症も無く有効な処置であると考えられる．