Abstract

近年,分子標的療法はリウマチ性疾患や悪性腫瘍疾患への新たな治療法として急速に開発と臨床応用が進み,多くの疾患予後を劇的に改善させ始めた。腎臓疾患においても生物学的製剤を主とする分子標的療法がいくつかの疾患の治療に導入され始めている。代表例として,小児難治性ネフローゼ症候群,ANCA関連血管炎,膜性腎症へのリツキシマブ,非典型溶血性尿毒症症候群へのエクリズマブ,ループス腎炎へのベリムマブ等が挙げられる。また腎移植においてはバシリキシマブが拒絶反応の防止に,リツキシマブがABO不適合移植の脱感作療法に使用されている。今後,新たな分子標的療法が腎臓疾患の治療に続々と導入され,治療における大きなパラダイムシフトを迎える可能性が高い。しかし,その一方で従来の免疫抑制薬では経験しない致死的な副作用もあるため,使用に当たっては適応基準の設定が必要となるであろう。

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