Abstract

61歳男性.2002年急性大動脈解離に対してhemiarch replacement術を施行され,その経過観察のため当院に紹介された.経過中に溶血性貧血が出現し,精査を施行したところ上行大動脈吻合部のフェルトストリップによる狭窄が溶血の原因と推察された.サルポグレラートとβ遮断薬内服で溶血性貧血は一時改善していたが術後7年目に大動脈弁位の感染性心内膜炎を発症し大動脈基部置換術を施行した.術中所見で吻合部内腔へのフェルトの脱落,突出を確認し,これが溶血性貧血の原因になっていたものと診断した.吻合部補強のためのフェルトストリップの使用による稀な合併例と考え考察を加え報告する.

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