Abstract

トリハロメタン(THM)は浄水場での浄水過程で注入される塩素と水中の各種有機物質(THM先駆物質)が反応して生成する有毒物質であり,発癌性の可能性も指摘されている.特定の水道水源域(指定地域)では一定規模以上の畜産事業場の畜舎排水もTHM先駆物質濃度の指標であるTHM生成能(THMFP)が規制されることになった.そこで,確実なTHMFP測定の基礎として測定における畜舎排水の特性を検討した.THMFP測定では,塩素を不連続点より高い濃度で段階的に注入した試料を複数作成し,20°C,pH7で24時間静置後,遊離残留塩素が1~2mg/lの試料について生成したTHMを測定することになっている.まず,塩素注入率と残留塩素量の関係をみたところ,試料によっては不連続点前でも遊離残留塩素が見かけ上1mg/lを越える場合があった.よって,不連続点の位置を確認しないと所要塩素注入率より低い注入率でTHMFPを測定してしまう可能性のあることがわかった.所要塩素注入率の予測を行なうには化学的酸素要求量(CODMn),アンモニア態窒素およびE260を説明変数とする重回帰式を用いることが適切であった,11ヵ所(12試料)の畜舎排水のTHMFPのメジアン値は処理施設流入水で7,677μg/l,処理水で569μg/lであった.

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