Abstract
組織内加温法と小線源治療との組み合わせは,腫瘍の治療に有効であることが示されている.腫瘍の温度を上昇させることにより,その腫瘍は放射線に対して敏感になるため,結果として放射線量を低減させることが可能である.本研究の目的は,深在性の乳房腫瘍に対して効果的に加温可能な侵襲型アプリケータを選定し,これにより腫瘍部の温度を42.5°C以上に上昇させ,30 Gy未満の低線量放射線の効果を調べることである.我々は,まず,侵襲型アプリケータとして同軸スロットアンテナアレーを用いることとし,アンテナ周辺の温度分布について胸部ファントムを使用して測定した.さらに,specific absorption rate(SAR)分布を市販の電磁界シミュレーションソフトウェアを用いて計算した.これらの結果より,2本の同軸スロットアンテナを5 mm間隔で配置し,15 Wのマイクロ波電力を使用する同軸スロットアンテナアレーにて,腫瘍ファントム中の直径3 cm程度の領域の温度を42.5°C以上に上昇させることができた.また,30分加温後の温度上昇値やSARは,正常組織のファントムよりも腫瘍組織のファントムの方がいずれも高い値になることがわかった.さらに,治療計画ソフトウェアを用いて小線源治療時の線量分布を検討すべく,乳房腫瘍患者の断層画像にシミュレーションを適用した.腫瘍サイズは50 mm(長さ)×50 mm(幅)×20 mm(厚さ)であった.6 Gyの放射線量を5回照射し,30 Gyの放射線量とした.この結果,同軸スロットアンテナアレーを用いて42.5°C以上に温度上昇させる組織内加温法と,6 Gyを5回に分けて照射する小線源治療の併用は,深在性乳房腫瘤の局所制御を行える可能性があることがわかった.
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