Abstract

門脈圧亢進症を示す肝線維症で門脈圧の亢進をおこす原因は,門脈の最末端の枝の狭窄及至は閉塞であると考えられている.確かに組織学的に小さいGlisson鞘に於いて著明な門脈枝の狭窄及至は消失がみられる症例がある.然し一方一見すると肝内の血管系,殊に中等大の門脈枝,Glisson鞘周囲のinlet venule,類洞の一部,又中心静脈が異常に拡大している症例もある.この異常血行路がどこから血液を受け,如何なる意味を持っているか3例の症例で連続切片を作製して検討した.その結果,拡張したinlet venule,類洞,中心静脈は一連の異常血行路であって,肝動脈枝から血液を受け,いわば肝動脈,肝静脈間の短絡を形成していることが明らかになった.又拡張した中等大の門脈枝には肝動脈とのかなり大きな吻合がみられ,動脈血の流入があると考えられた.

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